特別展示東京都庁第一本庁舎2Fロビーにて(2004年)
■武内光仁■
〈青い基地〉
土佐の杉間伐材を使用した青い基地。
建物の中に青い家を組立てることで複合の空間を作り出す。この空間こそ日本人なら忘れられぬ郷愁を呼び、「心」をいやすものであるはずだ。
慌ただしく生かされている私達が、青い家のどっしりとした床柱の前で目を閉じ、少しの時間を座する時、あるいは抹茶を一服・・・という時、過ぎ去った過去の思い出に少し目を潤ませる時もあるだろう。
屋根の開口、障子紙を貼らない建具の開口からは、多量の素粒子が飛びかう宇宙からのメッセージやエネルギーを吸収し、座する人たちは壮快な気分になる。いわば幸せ発進の基地である。
この作品は少しの遊び心もある。どこにでも移動できるため陳列期間中、どこに置いても、そこに地上権を獲得したような気持ちになり、大いなる満足感がある作品である。